症例紹介〜大腿骨頭壊死症、レッグペルテス病〜
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今回は若いわんちゃんに多い大腿骨頭壊死症、いわゆるレッグペルテス病についてです。
この病気は若い小型犬さん、特にプードルやヨーキー、チワワなどでよくみられる先天的な疾患です。
骨の一部が無菌性に融解していまい、進行性の病変でスカスカになっていき、場合によっては骨折を生じることもあります。
症状としては軽度の歩様異常から始まり、進行してくると太ももの筋肉が落ちてしまうことで症状が顕著になってきます。
そして診断にはレントゲンが必要になります。
この子の場合は、右後肢の青丸で囲まれた大腿骨の一部がモロモロになっているのがわかります。
さらに、反対の後肢と比べて筋肉量が顕著に落ちてしまっているのがよくわかります。
実際には、レントゲンではわかりにくい症例もあり、当院では怪しい場合はCT検査で確定診断をつけにいくこともあります。
そして診断がついたらなるべく早くに手術が必要になります。
手術は壊死している骨頭部分を切り落としてしまいます。術後の写真です↓
よく骨を切ると言うと痛いのではないか、歩けなくなるのでは、などと思われるかもしれませんが、壊死している骨があるということの方が痛みとして強いようです。
実際、術後の周術期を過ぎれば徐々に歩様が改善されていき、術前よりも動きが活発になる場合が多いです。
あまり症状がないように思われていたコでも、術後の様子をみて本当はかなり痛みがあったんだなと思わされる事もあります。
また、当院では術後の補助療法としてリハビリによる機能回復を促しています。
一度失ってしまった筋肉を取り戻すのはかなり大変ですが、リハビリのおかげでかなり改善する症例もあると感じています。
何よりもこの病気に関しては早期発見、早期治療が重要となってきます。
若いわんちゃんで後ろ足の使い方に違和感があるといった場合はなるべく早めに病院を受診し、早期発見につながることを願います。