フィラリア症について
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フィラリア症についてまとめてみました。
【フィラリア症ってなあに?】
フィラリアという寄生虫が犬や猫の体内に住みつくことで、心臓の機能が障害されてしまう病気です。
フィラリアは、幼虫のうちは小さいですが、血液中でどんどん成長し、成虫になると心臓に寄生します。心臓は、肺や全身に血液を送るポンプの役目を果たしています。心臓に、フィラリアが寄生することで、うまく血液が送れず、栄養や酸素が足りなくなったり、フィラリアでいっぱいの血管を通るときに血液が壊れてしまったり詰まってしまったりします。
咳が出たり、散歩中にぐったり寝そべったり、お腹が張ってきたり、、、そんな症状が見られたら、既にフィラリアに感染しているかもしれません!初期には、ほとんど症状は出ないため、検診でたまたま見つかることもあります。
【フィラリアってどこにいるの?】
フィラリアを実際に見たことがある人は少ないと思います!
フィラリアは蚊が媒介します。フィラリアに感染した犬や猫の血液を吸うことで、蚊が体内に取り込み、その状態で犬猫の血を吸うことで感染が成立します。なので、私たちの目に留まることはほとんどないと思います!じゃあ、どうやって予防すればいいのでしょうか!
【フィラリアの予防】
蚊に刺されないようにすることは不可能に近いです。
なので、「侵入してきたフィラリアをやっつける」ことで、感染の成立を防いでいます。
お薬には、①おやつタイプ②錠剤タイプ③スポットタイプ④注射タイプの4種類あります。
院内で処方しているフィラリア薬をまとめてみました!
- おやつタイプ
・ネクスガードスペクトラ(ノミ・マダニも同時予防)
・カルドメックチュアブル(フィラリア)
・シンパリカトリオ←new!今年から新しく入荷しました!おいしいそうです!(院長談)(ノミ・マダニも同時予防!)
◎おいしいのであげやすい!食べやすい!
△食事アレルギーに注意
- 錠剤タイプ
・アザバスカ錠(イベルメクチン)
・ミルベマイシン顆粒
◎おやつタイプが合わない子にも使える
△投薬のコツをつかむのが難しい
- スポットタイプ
・レボリューション
◎お薬の味が苦手な子にオススメ!1歳未満の子にも使える!
△皮膚をなめたり、気にしたりすることがある。
- 注射タイプ
・プロハート(モキシデック注)
◎1回の注射で1年間予防できる!
△ワクチンアレルギーが出る可能性がある
【フィラリアにかかってしまったかも、、、】
フィラリア予防をしている場合は、感染する確率はとても低いです。しかし、フィラリア予防をしていないと感染する可能性がぐっと上がります。
まず、「咳がでる」「散歩途中でぐったりする」「運動するのを嫌がる」「お腹が膨れてきた」「呼吸がしんどそう」などの症状が認められた場合、すぐに電話にてご相談ください。
血液検査、レントゲン、エコーで虫体の有無を確認します。大量に寄生している場合は手術、少数の場合は心臓の機能を助けながら幼虫を駆除することになります。
このような症状がなくても、まれに幼虫が感染していることもあります。
「今から始めて大丈夫?」という方も、今感染しているかどうか簡単に調べることができます。感染していないことがわかれば、そこから予防をスタートするのでも遅くありません。
【最後に】
フィラリアへの感染は以前に比べて格段に少なくなりました。みなさんがしっかり予防してくれているからです!!しかし、年に数頭感染したわんちゃんを診ることがあります。つまり、今でもフィラリアに感染する可能性は十分にあります。フィラリアの駆除は体にものすごく負担がかかります。また、フィラリアが寄生していたこと自体が、心臓や血管にとっては大ダメージです。フィラリアの感染は、予防薬で予防できます。これからもぜひ続けていってください!
【年中予防とシーズン予防について】
最近、オーナーさんからフィラリアの年中予防をしたい!と相談されることがあります。
年中予防とシーズン予防どちらがいいのか迷われる方もいらっしゃいます。
奈良県の気候では、基本的に「5月から12月まで」がフィラリアのシーズンとなります。この8か月間を予防薬が必要な期間として呼びかけをしてきました。理由は、冬の間は蚊がほとんどいないため、感染するリスクがとても低いから、また春に感染してしまったとしても、幼虫が血管内に出てくるのに3か月ほどかかるので、5月からの予防薬投与で間に合うからです。5月の予防開始前に、感染していないかどうかの確認のため血液検査を行う必要があります。
しかし、近年地球温暖化で蚊の生存期間が延びており、マンションなどでは寒いのに蚊がいることもあるようです。また、投与後吐いてしまったり、投薬ミスがあったりすると、十分に血中濃度があがらず、予防していても感染してしまうこともあります。そのため近年は年中予防が推奨されています。
年中予防をすることで、フィラリア予防がより確実になります。また、混み合う3月~5月を避けて1月~2月に開始することができるため、いつもより短い待ち時間でご案内できます。また、相談の上になりますが、その年のフィラリア検査が不要になります。
年中予防のデメリットとしては、費用が高くなることです。(予防薬は高い、、、)そこで、年中予防の方に、年中予防お助けキャンペーンを実施します!
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これを機に、もう一度それぞれのわんちゃんやそのご家族にとってベストなフィラリア予防を一緒に考えましょう!
何か不明点があればお気軽にスタッフにご相談くださいね。